双子の帝王切開なのに産後3日で退院!?
この記事では、2022年にアメリカで双子を無事に帝王切開で出産した時の体験談をご紹介します。
私の人生初、そして最後になるであろう海外(アメリカ)での妊娠・出産の経験
当初、双子出産は自然分娩を希望していたので、陣痛促進剤、内診グリグリ、人口破水、帝王切開、私の出産はフルコースとなりました。
コロナ渦中に、家族が不在の海外で双子出産を迎えるまで、毎日不安でいっぱいの妊婦生活を過ごしました。
私の人生、辛い経験「トップ3」に入る、アメリカでの双子出産体験談を紹介します。
- 高齢出産
- 初めての妊娠
- 海外(アメリカ)出産
- 帝王切開
- 一卵性の双子妊娠(MD双胎(1絨毛膜2羊膜双胎):胎盤は1つだけで、羊膜が2つに分かれている状態)
- 体調面:悪阻はなく、食欲は通常の2倍、常に眠い、手の痺れ(妊娠中期〜産後3ヶ月)
出産前に用意して欲しいアイテム
帝王切開予定の方は、是非日本からこのアイテムを持参して頂くことをおすすめします!
もし、日本の家族や友人から「何が欲しい」って聞かれたら、ご紹介するアイテムをリクエストすると産後に役立ちます。
帝王切開 傷テープ
アメリカで帝王切開した際に、私の病院では日本の様な帝王切開後の傷口ケアをしてもらえませんでした。
私の病院が論外だったと思うのですが、術後3日目に生理用のナプキンをパンツの内側に貼られただけでした。。。。
帝王切開 シリコンの傷テープ
子宮系の問題があった際、日本の大学病院で手術をした時に処方された傷あとケア用のシリコンテープ
何度も洗ってつけられ、ピタッと皮膚にくっついて傷口を保護してくれます。
個人的にこのテープはおすすめです。
入院当日の流れ
妊娠後期、36週目の定期検診に旦那と病院へ
双子妊娠で高リスク出産だったので、来週から入院する予約をしていました。
その日は、帰宅後に家でランチを作る予定だったので、解凍中のお肉をテーブルに残して外出
定期検診が終わり、いつも通り病室で看護師さんを待っていると、担当医が登場
32週の検診日から成長が見れないので、「今日、出産準備しましょう」
入院の手続き後に病室に移動。今から促進剤を入れるので、食事は禁止
急な展開過ぎて、私も主人も混乱状態、書類にサインをし病室で服を着替えてベッドで待機
放心状態でいると、部屋に麻酔担当医、看護師チーム、手術チームと順番に来て各書類にサイン
促進剤を投与するため、食事は禁止で水分のみ摂取可能
急いで主人にご飯を買ってきてもらっている間、入院バッグに入れていたカロリーメートを食べる(4本で400キロカロリー)
2022年の22日だったら、双子だから「22」で良いね!なんて、この時は呑気に主人と笑顔で話してました。。。
悶絶!出産までの3日間
本当に過酷だった、出産までの3日+産後3日 計6日間
産後約1年経過した今でも、次の妊娠は考えられません
こんなに過酷な「6日間」になるとは、全く想像もしていなかった。。。
産後3ヶ月間は、入院中に撮ったビデオを見返す度にフラッシュバックで涙がポロポロ出ていました。
今でも、帝王切開の手術前に撮ったビデオを見返すと辛い思い出が蘇ります。
入院 1日目
- NSTのベルト装着(ノンストレステスト:胎児心拍数と子宮収縮を調べる検査)
- 夕方:子宮口を広げるための誘発剤を紐状の薬を腟内に留置
- 強めの痛み止めを点滴から投入
- 夜中:子宮口を広げるための誘発剤を点滴から投入
双子の心拍と胎動を測る為、NSTの装置を張り付ける際、ジェルをたっぷりお腹に塗られる
※55時間以上の装着で、猛烈な痒みに襲われ、お腹全体が真っ赤になる悲劇
子宮口を広げるために紐状の薬を膣内に投入した処置は、グリグリされ信じられない程の「激痛」で泣く
1回目は研究生が処置し失敗→2回目熟練の看護師さんが位置を修正
投入後、血がドバドバ出て(ベッドのシーツが血で真っ赤になり交換)
痛み止め薬は、頭がぐるぐる回って、呼吸が苦しかったのに意識朦朧で話す事ができず怖かった。
夜中に膣内のチェックをした際、子宮口が3cm開いたが、まだ子宮頸管が硬いので別の薬を点滴で投入
NSTベルトと点滴を両手に付けていたので、一人でトイレに行けず主人に声をかけ手伝ってもらう
明日には出産するつもりでいたので、主人もハイになっていて食事を抜いたりと浮かれ気味の様子
※この状態が、入院3日+産後入院3日の合計6日間も続くなんて想像していなかった主人
後に、しっかりと「食事」と「休息」をとっていなかったことに後悔する
入院 2日目
- NSTのベルト装着
- 子宮口が4cmから3cmに戻る
- 点滴を止め、食事休憩
- 夕方:人口破水
入院2日目、4cmまで開いた子宮口が3cmに戻ってしまう
子宮口をチェックする度に、グリグリされ激痛すぎて「ヴゥー」としか言葉が出ない
出産準備中に、激痛で号泣したのが「内心グリグリ(卵膜剥離)」と「人口破水」痛すぎて吐き気がする
前日から水分しか摂ってなく空腹に耐えられず、夕方にお願いして一度点滴を止めてもらう
主人が家に荷物を取りに帰った際、ずっと食べたいと思っていた「おかかのおにぎり」を作ってきてくれた。
夕方になっても全く広がらない頑固な子宮口、なので人口破水をすることに
研修中の先生により、割り箸の先にフックがついた様な棒で長時間グリグリされたが失敗
これまた、意気消沈する程に激痛で痛すぎて吐き気と震えが止まらない
そして、結局破水が上手く出来ず、他のベテラン先生が来て一発で破水成功
体感は、股の間から温かい液体がボワーと出てきた感じ
主人が横で見ていたのですが、血の混じった液体が「ドバー」っと出てきて凄い光景だった様です。
NSTベルトを装着して2日目、敏感肌の私のお腹は全体が真っ赤になり激しい痒みに襲われる
微弱な陣痛はあるものの、特に進展はなく2日目終了
入院2日目の主人は、始終鳴り続けるNST装置、看護師さんの入替り、固いソファー、トイレ付き添いで夜中に起こされ(目の下にクマがあり疲労気味)
入院3日目
- NSTのベルト装着
- 子宮口が4cmから3cmに戻る
- 点滴を止め、食事休憩
- 夕方:人口破水
入院3日目、促進剤の量を増やしても、陣痛が来なくて地味な生理痛がずっと続く感じ
48時間以上装着しているNST装置は、双子が動く度に始終音を鳴り続け、ゆっくりと熟睡も出来ない
毎回ウトウトする度に、先生や看護師さんが入替わりに部屋に入ってきて、精神面と体力的に厳しい状況
少しでも陣痛が進む様に、バランスボールに乗ったりするも、ロコちゃんの心拍が急激に下がり直ぐにベッドに戻り安静に
午前中、下記の理由で自然分娩をしても出産まで2日間以上かかる可能性があると先生から説明を受ける
- 初産
- 早産
- 高リスク出産
- また、双子出産なので1人目が自然分娩でも、2人目を帝王切開で出す可能性がある事
3日間薬漬けで食事も睡眠も十分に出来ず、私も主人もやつれ果てて、正直もう限界でした。。。
午後3時頃、主人と話し合い帝王切開で出産する事を決意!
帝王切開で出産
- 背中に麻酔を打つ(座っておへそを見る姿勢)
- 帝王切開手術開始
- 双子誕生
- 血圧上昇後に全身麻酔
午後3時に帝王切開で出産するをお願いすると、直ぐに準備が始まり午後4時過ぎにオペ室へ移動
立ち会い出産を希望したので、主人は手術室用の防護服に着替えると、嬉しかった様で自撮りをパシャリと余裕な様子
私は、手術用の服に着替えた後、恐怖で震えと涙が止まらず、号泣しながらベットごとオペ室へ移動
オペ室では、先ず初めに下半身麻酔を背中に注射、その際に誤って背中に手を伸ばしてしまい、先生に凄く怒られる
主人と看護師さんに体を抑えられ、2回目の注射は完了(ずっと、震えと涙は止まらない)
麻酔後は、急に足元が温かくなり、下半身が軽く痺れる感じがして、次第に感覚が全く無くなりました。
手術が始まると、急に肉が焼ける匂いがして、電気メスを使って手術が始まったんだなと実感
麻酔で感覚はなかったが、ベッドが揺れてお腹を強く押してるなと思っていると
1人目ロコちゃんの産声が聞こえて、その1分後に、2人目モコちゃんの産声も聞こえ、ホッとして涙が溢れ出ました。
ロコちゃん:2200グラム
モコちゃん:1970グラム
産声を聞いた後は、急に血圧が200を越えてしまい、そのまま全身麻酔のマスクを装着され意識を失う
手術後、目覚めると病室に戻っていて、主人が双子のオムツを交換とミルクをあげてくれてました。
※主人は、手術中に血圧が急上昇し、私が死んでしまうのではとパニックになったそうです。
壮絶!産後の3日間
産後1日目
元気満々な双子姉妹はNICUへ行かず、術後直ぐに同室で主人がミルクとオムツのお世話をしていました。
病院支給のAとBと書かれたニットの帽子を被って、二人で体を寄せ合いながら1つのバシネットで寝てる双子姉妹
麻酔から目覚めた後は、家族4人で記念撮影
写真撮影後、またウトウトして就寝(私が寝ている間、ずっと1人で双子の面倒を見ていてくれた主人に感謝)
幸いにも、吐き気はなく、麻酔が効いていたので痛みも感じずゆっくり眠れました。
産後2日目
夜中に、目が覚めると、身体中に点滴、心拍、尿管、足には血栓防止のフットポンプの装置に繋がれていて動けず
双子のお世話は、全て主人が24時間体制で1人で対応してくれていました
低体重で生まれた双子姉妹は、低体重児用(preemieサイズ)のオムツも大きく、半分に折ってつけてました
まだ、母乳が出ないため、病院が提供してくれる「Enfamil」の液体ミルクを、1時間半〜2時間おきに毎回10mlを飲ませてくれてました。その際に、オムツも同じタイミングで交換してました。
看護婦さんが来ると、私が横たわっているベッドと双子姉妹が寝ているバシネットを押してもらい、他の部屋へ大移動
移動後は、早々に尿管を外され、看護師さんに付き添ってもらいながらトイレで尿を出すことに。。。
トイレには、尿量を測れるプラスチックの器が置いてあり、都度どのくらい尿が出たか紙に記録を残すことに
前日の麻酔が完全にきれて、傷口が痛みベッド上で動くのも痛いのに、立ち上がってトイレまで行くのは本当に地獄
昨日、帝王切開したばかりなのに。。。S気の看護師さんに手を引かれいざトイレへ
お腹に力が入らず、便座に座るのも必死で、普段は簡単に出る尿も上手く出せず苦戦
排尿痛もあり、ツーンとした痛みが
その際に、ゴルフボールより大きい血の塊が2つも出てきて驚く!!
産後翌日なのに、お次は
1日に最低3回は廊下を歩いて体を動かして下さい
早く回復出来る様に病室内を歩いたり、ソファーに座り双子に液体ミルクを飲ませたりと張り切って動いていると
パジャマに血が滲み出て、慌ててナースコール!
慌てている私をよそに、血が出てる傷口に生理用のナプキンをピタッと、えーーっと傷口丸出しで大丈夫ですか。
痛み止めを飲んでも傷口は激痛で、双子姉妹のお世話、人の出入りが激しく大声で話しかけてくる看護師さん達。
ウトウトすると毎回起こされ、ゆっくり眠れず本当に体がボロボロで、主人は目の下にクマが出来てて疲労マックス
看護師さんに言われた通り、痛い傷口を抑えながら猫背の前のめり姿勢で、1日3回 廊下をひたすら歩く
夜中に双子姉妹が、血液検査とチャイルドシート検査で3時間不在中、2人共死んだ様に爆睡しました。
血液検査では、かかとから血を採取した様で絆創膏が貼ってあり、チャイルドシート検査は90分間座っていられるかのチェレンジだった様で、二人とも戻ってきたらグッタリとしてミルクも飲めない状態でした。
産後3日目
先生が病室に来て、今日の夕方頃に産後72時間経過するので退院できると説明を受ける
1時間半おきのミルクとおむつ交換、この作業に30分要すため、実質1時間しか休めない産後の入院生活3日目
後陣痛か傷口なのか、とにかく痛いのに双子姉妹が泣くとベッドから降りて二人を抱いてミルクをあげるため、ソファーに座る度に、お腹に力が入らず激痛で涙が溢れる
- 帝王切開の際に、投与したマグネシウムの副作用で、目の焦点が合わない
- 妊娠後期〜産後3ヶ月まで、指先の痺れ(オシッコが漏れて服が濡れててもわからない程)
- 足のむくみ(足が象みたいでした。産後6日目に家の階段を登り降りしたら治りました)
- 傷口の痛み
- お腹に力が入らず、トイレがスムーズにできない
- 排尿痛(産後10日間ほど、ツーンとした痛み)
病院の食事は、ファミレスで出てくる様な高カロリーな料理が運ばれてきてビックリ。
アメリカの病院食は「不味い」というイメージがあったので、案外機内食より美味しくて問題なく完食
食欲は問題なくあるため、便意があり、何度もトイレで脂汗が溢れ出す程の痛みと闘いました
産後72時間で退院!
産後72時間後、退院許可が出て荷物をまとめる
※単児(1人)帝王切開の場合は、48時間後に退院できるそうです。
双子の足に付いていた、誘拐予防のセキュリティータグも外してもらい準備万端
看護師さんに車椅子を押してもらい、病院の外へ
久しぶりに外の空気を吸った時、ふとよくテレビで見る「シャバの空気はうまいな〜」と言う気持ちが分かった
兎に角、家族4人で無事に病院の外に出れて良かった
無事に退院。。。
出産を振り返って
初産で出産までの流れについて説明を受けていなく、かなり混乱した出産体験
まさか、定期検診に行ったまま家に帰らず入院することになるなんて
3日間悶えた後、帝王切開になるなら、初めから他の処置はせずに帝王切開で出産したかったです。
帝王切開後は、日本の手厚いサポートのある病院だったら長めに入院したかったのですが、寒くて、人の往来が激しく落ち着けない病室だったので、72時間後に退院できて良かったです。
子供もう一人欲しいね、なんて思う事もありますが
産後約1年経過した今でも、あの6日日間の辛い体験を思い出すと、次の妊娠は考えられません。
産後は、母子共に健康で、双子も1才にを迎え、元気にすくすく育っています。
出産は命がけで、母子共に元気でいられるのは奇跡だと思います!
今回、双子出産という素晴らしい経験をさせてもらい、本当に感謝しています。
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